2025年9月期 通期 決算説明資料
2025.11.18

次に、今回初めてお伝えすることになるのですが、当社の投下資本と事業ポートフォリオ、そして各事業からもたらされるキャッシュ・フローからの株主還元の考え方についてです。これまで、当社では主に売上やEBITDAといった損益ベースの指標を中心に、事業の成長や収益力をお示ししてきました。しかし、今後の成長ステージを考えると、「資本の使い方そのもの」、つまり、どこにどれだけ資本を投じ、それがどの程度のリターンを生み出しているのかを、より明確にお示ししていく必要があると考えています。
そこで今回、新たにROIC(投下資本利益率)という資本効率の観点を加えました。ROICを取り入れることで、「どの事業にどれだけの資本を投じ、それがどの程度リターンを生んでいるのか」を可視化し、今後の投資判断や株主還元方針の精度を一層高めていく方針です。
まず、当社は有利子負債と株主資本とで合計して250億円程度の資本を事業に投下しております。その中で、大きく既存のコアとなる事業に50億円程度、インフルエンサーマーケティング事業としてUUUMのM&Aに投資したものとして150億円程度、その他投資に50億円程度を投下しております。
既存のコア事業については、株式会社フリークアウトや、すでにM&A時の借入金を完済した北米事業などが中心であり、アジア事業については資金の回収がまだこれからですが、投資に対して高収益(高ROIC)の事業となっています。ここについては、これから大きな投資を必要とするフェーズではないので、引き続き高い収益性を維持・拡張していくほか、コーポレートコストなどの共通費を負担したあとの利益から、成長投資分を除いて安定的な利益とキャッシュ・フローが見込めるようになった段階で配当などの株主還元を開始していきます。
インフルエンサーマーケティング事業については、現在当社の収益性(ROE、ROIC)が低下しているもっとも大きな要因となっています。150億円を投下しておりますが、それに対してROICは2%程度です。ここの改善が当社の企業価値向上には急務です。収益性の向上に向けて、正しい戦略を実行するため、今回の分社化を含めてあらゆる手段を我々行ってまいります。
最後に投資事業の考え方についてもお伝えします。現在当社は簿価ベースで50億円程度の有価証券を保有しております。この中には、持分法適用関連会社でタクシーサイネージのIRISなど売却予定がない事業資産も含まれておりますが、一方でファンドを通じて行ったものも含めて相当の純投資を行ってきました。すでにカンムの売却など一定の成果を出しているものではありますが、現時点のざっくりとした試算でも、ある程度価値を測定できるものだけで、優に150億円を超える程度の資産価値があると考えています。もちろん非上場の有価証券の場合は、どのタイミングで売却できるのかは我々側が自由に判断することは難しい側面もあります。しかし、足元でも何件か検討を行っているほか、中長期で考えると一定のキャッシュフローが見込める可能性が高いため、この投資事業から得られた利益については積極的に株主還元を行っていきたいと考えています。
まとめますと、見出しのとおりとなります。一方で、我々まだ成熟した低成長企業ではなく、上場後10年内で売上高を20倍程度に伸ばしてきたグループです。そのため、投資から数年で高ROICを狙えて、かつ短期での投資回収が可能な案件については、引き続き積極的に成長投資を行っていきます。
