IRニュース

2020年9月期 第2四半期決算説明会

2020.05.15

  続きまして、私永井からこの第2四半期決算の概要をお伝えいたします。
  特に今回の決算においては、3月に新型コロナウイルスの影響が出始めましたので、決算数値に加えて、コロナの影響なかりせばの正常収益力の部分を、定性的な内容含めてご説明させて頂きます。

  まず、第2四半期単独の決算数値についてはこちらのとおり、売上高61.7億円、EBITDA1.2億円となっております(なお、営業利益は△0.3億円、経常利益は為替差損の影響もあり、△0.6億円)。また、昨年度に引き続き事業の整理・撤退は進めておりまして、それを受けて昨年度買収完了し、昨年度末にのれんを全額減損したThe Studio by Ctrl Shiftの事業清算を意思決定いたしました。The Studio by Ctrl Shift等の清算に伴う特別損失0.5億円をこの決算で計上し、結果として親会社に帰属する当期純損失は1.9億円となっております。

  当社の一般的な季節性としては、第2四半期は、国内広告の需要が3月にある一方で、売上の50%以上を締める海外が1月、2月が広告閑散期になる傾向が非常に強いこともあり、連結ベースでみると1年でももっとも苦戦する四半期と考えております。

  それを受けて、当社の社内予算としても第2四半期はEBITDAベースでもブレイクイーブンから若干の赤字程度の見込みを立てており、今期通年の5億円というEBITDA予算についても、1Qで3億から4億円程度の黒字を出して、2Qはブレイクイーブン、3Q、4Qで積み増して合計5億円に至るという予算を見込んでおりました。

  以上に対して、着地した数字は、EBITDAベースで2Q単独で+1.2億円ということで、コロナウイルスの影響を受けたうえでもなお、ブレイクイーブンの見込みに対して利益を積み上げられたということで、順調に推移しております。

  次に、新型コロナウイルスの影響について、定性的な内容は先ほど代表の本田から説明のとおりとなりますが、定量的にメインのグループ会社を中心に取りまとめた数字がこちらのとおりとなります。

  特に大きなところでは、株式会社フリークアウトが主に含まれている国内広告_DSP等のところで、広告需要期の受注キャンセルや、位置情報を活用した来店促進を主目的とするプロダクトが影響を受けております。また、本日開示のとおり上場子会社であるインティメート・マージャーにて、業績予想の下方修正を行っておりますが、その中でコロナウイルスによる影響も相当程度ございます。

  そして、海外のところでも、主要子会社であるPlaywireと台湾法人であるadGeekを中心に影響が出始めておりますが、その一方で中国法人を中心にアプリデベロッパー向けの広告配信等でプラスも出ており、ネッティングするとこちらの数字となっております。

  先ほど私の箇所冒頭でお伝えしたとおり、当初は第2四半期はEBITDAベースでほぼブレイクイーブンで見ておりましたので、それに対してコロナなかりせば非常に順調に推移した、本田からも説明申し上げたとおり業績予想の上方修正も検討したであろうと考えております。

  次に、各事業ごとの推移をベースに、これらの数字の要因に触れさせて頂きます。

  まず、前提として今期は、前年から引き続き不採算の事業、子会社の整理を進めることで、次の中計期間に向けた種まきをしつつ、まずはしっかりと黒字化させる期という位置づけでした。

  現在の中期計画(EBITDA30億円)の未達要因の総括と、新中期計画の策定・公表はしかるべきタイミングで実施いたしますが、特に未達要因として大きいところでは、a)国内広告事業で 3年前提携関係にあったトップメディアとの取引が失われたこと、b) Playwireを除く海外広告事業の収益化に時間を要したこと、がございます。

  これらの未達要因に対して、a)国内広告は中核事業子会社である株式会社フリークアウトを中心に、足元予算をしっかりと超過するベースで収益が回復しております。国内広告(DSP等)の推移をご御覧いただくとおり、トップメディアとの取引が終了した直後の、昨年度の第3四半期、第4四半期にかなり収益が落ち込み、そこから今年度の第1四半期にEBITDA1億円ということでかなり盛り返してきておりました。それに続く今回の第2四半期においては、主力プロダクトであるRedの売上がしっかりと回復したほか、TVer関連の売上も収益貢献を開始するなどして、合計で1.8億円のEBITDAを出しております。もちろんまだ油断はできないものの、トップメディアとの取引終了以降の収益回復という面では、かなり道筋が見えてきたと整理しております。

  また、b)海外広告も、全体的に1月、2月が広告閑散期ということで、この第2四半期決算は傾向的にかなり厳しくなる可能性が高いため、赤字の予算を組んでおりましたが、第1四半期ほどではないものの引き続き順調なPlaywireに加えて、既存拠点の収益化、一部M&A先のコスト見直しによる収益改善などにより、しっかりと黒字で着地することができました。

  一方で、本日上場子会社のインティメート・マージャーから業績予想の下方修正を出しておりまして、それなりの規模の修正ではありますが、それ以外の事業が非常に順調であり、全体としては予算を超過するベースで推移しております。

  こちらのページが、海外広告の売上・EBITDAの内訳となります。

  一部説明が重複いたしますが、Playwireが12月の反動で例年1月~2月を含む第2四半期は大きく売上・利益が落ち込むのですが、当期はコロナウイルスの影響を受けつつも無事黒字で着地しております。

  また、大きな懸念であったadGeek+The Studio by CtrlShftについても、合計値では赤字となっていますが、adGeekで先行して進めてきたリストラ含む収益改善が功を奏しまして、単体で見れば3月コロナの影響は受けたもののこの四半期は黒字で着地しております。3末にさらにもう一段スリムダウンしております。その一方で、大きな課題となっていたThe Studioについては、今回の四半期も0.1億円程度の赤字となっていましたが、今回特別損失を出して早期に清算の意思決定を行っており、次の四半期以降は業績への影響はございません。

  一方で、自社拠点についてはまだ赤字が継続しておりますが、広告閑散期である第2四半期としてはかなり縮小された赤字幅になってきているのに加えて、後ほど安倉から説明するSilverPushとの共同事業の推進であったり、追加清算を検討すべき拠点も識別できておりますので、収益化にかなり近づいてきております。さらに、シンガポール法人も足元概ねコストカットが完了いたしまして、今後もう一歩費用改善を進めていきますが、ある程度burn rateが下がってきたというところです。

  以上については、新型コロナの影響を含みでの当社決算数値をベースとしたグラフとその説明となりますが、仮に新型コロナの影響がなければということで、集計したグラフはこちらのとおり、さらに如実に当社足元の業績が回復していることをお伝えできる数字になっております。

  最後に、新型コロナウイルスの影響を受けて第3四半期、第4四半期がどう推移していくのかについてですが、各事業に与える定性的な影響については本田からご説明のとおりです。一方、定量的には当社の事業ポートフォリオである程度相殺されてはいるものの、純額としてはやはりマイナスの影響になると考えており、期間がどの程度長引くのかにもよりますが長引けば長引くほどその短期的な影響が残ることになると見込んでおります。
  とは言え、先ほど説明させて頂いたとおり、第2四半期までの累計ベースで相応の貯金は残った状態ですので、現時点では業績予想を修正する予定はなく、万が一必要となった場合には速やかに開示させて頂きます。

  以上が2020年9月期第2四半期単独での決算の概要となりまして、次のスライド以降は内訳数値及び第2四半期までの累計数値を整理しておりますのでご参照ください。