IRニュース

2020年9月期 第2四半期決算説明会

2020.05.15

  新型コロナウィルス感染拡大に伴い参加者及び関係者の健康と安全確保を第一に考慮した結果、2020年9月期第2四半期決算説明会の開催を中止することといたしました。
本決算説明会への参加を予定してくださいました皆様には誠に申し訳ございませんが、ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。
  なお、説明会の内容については、ウェブページ及びダウンロード資料にて展開させていただきます。

ダウンロード資料についてはこちらをご確認ください。

  従来、決算説明会では冒頭にCFOから決算の概要をお伝えし、そのうえで各事業の進捗について、当該事業を管掌している各取締役から説明をしていくというスタイルで決算説明を行ってまいりました。
  一方、今回の決算においては、新型コロナウイルスという全世界的に人の生活のありように極めて大きな影響を及ぼしうる事象が現在進行形で起きており、我々の主力事業である広告事業にも大きな影響を及ぼすものであるため、この当該事象による影響について、第2四半期への影響だけではなく、第3四半期以降の影響、そして事業の定性的な部分も含めて、投資家の皆さまに代表の私、本田からお伝えすべきと判断しまして、冒頭からご説明させて頂きたいと思います。

  まず、世界的に広告業界全体で起きていることから説明させてください。

  昨今の新型コロナウイルスの影響により、旅行業や飲食など、外出を前提とした事業を展開される企業からの広告出稿控えが広告業界全体に起きています。そのような中、当社主力事業であるインターネット広告事業の特徴としては、コロナの影響で消費者の自宅に籠もる時間が増えたこともあり、インターネットメディアのビュー(閲覧時間)が飛躍的に伸びています。これに加えて、前述の一部業種広告主の出稿控えが起きたこともあり、インターネット広告全般が割安で出稿できるようになっています(つまり高い広告効果が期待できる)。そしてこれに目をつけた、コロナでも比較的影響が少ない業種の広告主が、よりインターネット広告予算を増やし、広告出稿に強気になるようなことが起きています。彼らはこの状況下で対面できずとも、Zoomなど駆使し我々広告事業者から情報を集め、積極的に新しい広告商品を探しているような状況です。

  このような中、当社広告事業が受けたコロナの影響についてですが、確かに大きな影響を受けて一時的な売上減となる事業もある一方で、逆に数字が伸びたり、広告出稿に強気になる業種の広告主も現れたりと、個別事業毎に受ける影響が大きく異なりました。

このため、コロナの影響で、

①逆に良くなった事業、②限定的な影響を受けた事業、③大きな影響を受けた事業

のそれぞれについて、私の方からお話させてもらい、続いて永井より、通常の決算数値の概要に移ります。その後、特に「大きな影響を受けた事業」に対する今後の対策などを、事業管掌役員からお話させてもらって、最後に私からの総括に移るような順序で進めさせてください。

①コロナ影響で業績を伸ばしている事業

  ポジティブな影響を受けた事業としては、

1. 株式会社フリークアウトで提供する、大手媒体社を含むメディア向け広告プラットフォーム事業(ネイティブ広告SSP事業=poets)が3月以降かなり好調です。これは、前述のインターネットメディアの閲覧数が大幅に伸びていることなどもあいまって、売上・粗利共に順調に推移しています。

2. また、中国子会社の事業も好調です。当初ここは中国ということもあり、特にコロナの影響が心配されましたが、実際は逆で、強い伸びを見せました。中国のゲームアプリデベロッパーの日本国内での広告配信に力を入れていますが、この事業もいわゆる「おこもり」のニーズをとらえる形で、足元非常に順調に推移しております。

3. さらに、現在はまだ非連結ですが、最重要の投資先であるカンムにおいても、主力事業のバンドルカード(ぽちっとチャージ)が、ユーザー様の短期的・少額な資金ニーズを満たすというプロダクトの性質が、この時勢下でニーズがかなり高まっており、非常に順調に自然流入でのユーザー獲得が加速してきておりますし、前述の通り広告出稿についても高い効果で効率よく行えるようになりました。

②限定的な影響を受けたが回復基調の事業

  主力事業であるDSPや、海外広告事業などはこちらに分類されます。前述の通りで、広告出稿が減る業種もあれば増やす業種もあり、非対面でのやりとりが多いインターネット広告事業の特性を活かす形で、事業毎の差は見られるだろうが、コロナの影響から徐々に回復しつつあります。

③大きな影響を受けた事業

  外出に大きな制限がかかってしまったこともあり、外先で見かけるようなサイネージ媒体事業や、消費者の行動(位置情報)データを活用した商品などは特に大きな影響を受けることとなりました。

1. 株式会社フリークアウトでASEという来店促進のための位置情報を使ったプロダクトで、毎月かなりの粗利を計上しておりましたが、そこが3月以降大きく落ち込んでいます。外食、アパレル、イベント系の広告需要が3月下旬から4月以降急速に減退している影響です。また、3月に関しては通常決算期末にあわせて追加の広告ニーズをブランド広告主様中心に頂くことが多かったのですが、この第2四半期についてはこのニーズがかなり失われており、実際に受注済であった契約がキャンセルされるなどもありました。

2. 都内でタクシーの稼働が3月後半より著しく落ちており、それが4月以降も続いていることから、それを受けて日本交通グループとの合弁会社である株式会社IRIS関連の売上、持分法投資利益が4月以降落ち込むことが予想されます。

これら特にネガティブな事業に対する今後の対策については、後ほど各事業別の詳細のところで説明いたします。

  このような全体感となっており、世間的に広告業界に対して不安視されているほどの影響はありませんでした。海外広告事業は、1月、2月が広告閑散期ということもあり、第2四半期決算はその影響が厳しくなる可能性が高いため、赤字の予算を組んでおりましたが、結果的には第2四半期決算もしっかりと黒字で着地することが出来たので、コロナ禍にあってさえ、想定以上に事業は伸びたことになります。そのため、新型コロナウイルスの影響がなければ、上方修正を行うことになっていたであろうと考えており、そのくらいに当社ファンダメンタルは力強くなっています。

  また特に、コロナ影響がポジティブに働いた、Poets、中国事業、Fin Techといった事業は、いずれもこの中期計画期間に始めた事業です。ホールディングスカンパニーとして、こういった事業をポートフォリオに組み込んで事業をよい意味で多角的に取り組んできたことで、今回の新型コロナウイルスの影響も、うまく相殺できたと言えるでしょう。今後もこのような状況下であっても、新たな事業を積極的に、取り込み、作り続けるような企業体でありたいと考えております。

  以上が、本田からの概況(新型コロナウイルスの影響等)の説明となります。