BtoB広告の手法と選び方|DSP・SNS・検索広告を使い分けるポイント

BtoB広告を始めてみたものの、「なかなか狙った企業・担当者からの反応が得られない」「配信手法をどう選べばいいのかわからない」といった声を耳にすることは少なくありません。
BtoB広告は、BtoC広告とは異なり、複数の関係者が意思決定に関わることや、検討期間が長くなりやすいことなど、いくつかの特有の性質があります。
こうした性質を踏まえずに広告手法やターゲティングを設計すると、狙った企業や担当者に十分に情報を届けられず、期待した成果につながらない可能性があります。
本記事では、BtoB広告とBtoC広告の違いから、検索広告・ディスプレイ広告・DSP・SNS広告といった代表的な手法、精度を高めるためのターゲティングの考え方、そしてサービスやDSPを選定する際のポイントまでを解説します。
なお、運用型広告全体の基礎をまずおさらいしたい方は、[DSP広告の仕組み・比較ポイント・選び方]を先にご覧ください。
- BtoB広告とBtoC広告の違いと、BtoB広告特有の性質
- 検索広告・DSP・SNS広告など、代表的なBtoB広告の手法と使い分け方
- BtoB広告の精度を高めるターゲティング設計の考え方と、サービス・DSPを選ぶ際に確認すべきポイント
BtoB広告とは?BtoC広告との違い
BtoB広告とは、企業を顧客とするビジネスにおいて、企業や企業に所属する担当者に向けて配信する広告のことです。
個人の消費者に向けたBtoC広告とは、ターゲットの捉え方や成果につながるまでのプロセスが異なります。
BtoC広告では、個人の興味関心や購買履歴をもとに配信対象を設定し、比較的短い検討期間で購入に至るケースが多くみられます。
一方、BtoB広告では、担当者だけでなく上長や関連部門など複数の関係者が意思決定に関わることが一般的で、検討期間も数ヶ月から1年以上に及ぶことがあります。
こうした違いから、BtoB広告では単発の接触でコンバージョンを狙うのではなく、中長期的な視点で接触を重ねながら、検討プロセスの中で自社を選択肢に入れてもらうための設計が求められます。
また、訴求内容も「便利そう」「流行っている」といった感覚的な理由ではなく、コスト削減効果や売上向上といった、数値で示せるメリットが重視される傾向にあります。
そのため、BtoB広告を設計する際は、「誰に」「どのタイミングで」「どのような情報を」届けるかを、BtoC広告以上に丁寧に組み立てる必要があります。
https://www.fout.co.jp/freakout/lab/programmatic/btob-marketing/
BtoB広告の主要な手法
BtoB広告では、目的や検討フェーズに応じて手法を使い分けることが重要です。
単体で最適解になる手法は存在せず、組み合わせ設計によって成果が左右されます。

検索広告(リスティング広告)
検索広告は、顕在層の獲得に強みを持つ手法です。
特定のキーワードを検索したユーザーに広告を表示する仕組みで、すでに課題が明確化している層に直接アプローチできます。
意図が明確なユーザーを獲得できる一方、検索ボリュームに依存するため、市場が顕在化していない新サービスには不向きな面があります。
また、競合が多い領域ではクリック単価が高騰し、CPA(顧客獲得単価) 改善が難しくなるケースもあります。
そのため、他施策で認知・興味を喚起したユーザーのニーズが顕在化したタイミングを捉え、問い合わせや資料ダウンロードにつなげる施策として活用されます。
ディスプレイ広告・DSP
DSPを活用したディスプレイ広告は、潜在層へのアプローチに強みを持ちます。
検索前の段階にいるターゲット企業や担当者に対して、能動的に広告を配信できる点が特徴です。
検索広告との大きな違いは、「検索されるのを待たない」点にあります。
市場への啓蒙段階との相性もよく、特定の業界メディアやビジネス系サイトを閲覧している層に対して、企業属性データを掛け合わせた配信も可能です。
ただし、配信面の質やデータ精度によって成果が変わりやすいため、どのように精度を高めるかは後の章で詳しく解説します。
SNS広告(LinkedIn・Facebookなど)
SNS広告は、職種・役職ベースでのターゲティングが可能な点が特徴です。
特にLinkedInはビジネス利用が前提のプラットフォームであるため、BtoB広告との親和性が高い媒体の一つです。
一方で、日本国内での利用者規模はサービスによって異なるため、業界や商材によってはリーチが限定的になるケースもあります。
FacebookやXでもBtoB活用は可能ですが、ビジネス文脈を意識した接触設計が必要です。
ホワイトペーパーやセミナー集客と組み合わせることで効果を発揮しやすくなります。
リターゲティング
リターゲティングは、一度自社サイトを訪問したユーザーに再度広告を配信する手法です。
検討期間が長いBtoBでは、比較検討の中で何度も情報収集が行われるため、接触回数を増やして記憶定着を促す目的で活用されます。
なお、Cookieを利用した従来型の手法だけに依存せず、利用可能なデータやターゲティング手法を組み合わせた設計が重要になっています。
コンテンツ広告・ホワイトペーパー連動型広告
BtoBでは、いきなり商談を求めるのではなく、資料ダウンロードやセミナー登録を入り口とするケースが一般的です。
課題解決型のホワイトペーパーや導入事例、業界レポートと広告を連動させることで、ターゲット企業の検討プロセスに自然な形で入り込みやすくなります。
BtoB広告の精度を高めるターゲティング設計
BtoB広告で成果を出すためには、どの手法を使うかだけでなく、「誰に届けるか」の精度をどう高めるかが重要になります。
ここでは、BtoB広告のターゲティング設計で意識したい2つのポイントを整理します。
なぜ「企業」を起点にした設計が重要なのか
BtoC広告の多くは、個人の興味関心や行動履歴を起点にターゲットを設定します。
一方、BtoB広告では、決裁に複数の関係者が関わることを踏まえ、「個人」だけでなく「企業」を起点にターゲットを絞り込む考え方が重要になります。
具体的には、IPアドレスデータや企業データベースを活用し、業種・企業規模・売上高といった企業属性をもとに配信対象を設定する手法があります。
これにより、狙った企業に所属するユーザーへ、部門をまたいで横断的にアプローチしやすくなります。
企業属性に加えて、役職や部門などの情報を組み合わせることで、決裁に関与する可能性が高い層や、特定部門の担当者への接触機会を増やす設計も可能になります。

特定のデータに依存しない設計の重要性
プライバシー保護の観点から、Cookieをはじめとするユーザー識別技術を取り巻く環境は変化しています。
そのため、特定のデータだけに依存せず、利用可能な企業データやコンテキストデータ(*)などを組み合わせてターゲティングすることが重要になっています。
BtoB広告においても、ターゲットとする企業や担当者にどのような方法で接触するのかを踏まえ、目的に応じてデータやターゲティング手法を選択することが求められます。
*コンテキストデータとは、広告掲載面の内容やページテーマなど、閲覧環境に基づくデータをいいます。
BtoB広告サービス・DSPの選び方
BtoB広告に対応したサービスやDSPは、機能の多さだけで選べるものではありません。
自社が狙う企業に、どれだけ精度高く、継続的にアプローチできるかという観点で確認することが重要です。
ここでは、特に確認しておきたい5つのポイントを、その理由とあわせて解説します。
1.保有企業データ量
企業データベースがどの程度の企業をカバーしているかは、配信できる母数そのものを左右します。
データの網羅性が低いと、そもそもターゲットとなる企業の多くが配信対象から外れてしまい、狙った業界や規模の企業にリーチできない可能性があります。
特にニッチな業界や特定の企業規模を対象とするBtoB商材では、データベースの網羅性が成果に直結しやすいため、自社が狙う企業群がどの程度カバーされているかを事前に確認しておく必要があります。
2.IPアドレス精度
IPアドレスデータを活用して企業を判定する場合、その判定精度はターゲティングの品質に関わる重要な要素です。
企業判定の精度が十分でない場合、意図した企業以外のユーザーが配信対象に含まれる可能性もあります。
そのため、どのようなロジックで企業を判定しているのか、対象企業をどの程度カバーしているのかを確認しておくことが重要です。
3.セグメント設計の柔軟性
BtoB商材によって、重視すべきターゲット条件は異なります。
業種を重視すべき商材もあれば、従業員規模や役職を重視すべき商材もあります。
業種・企業規模・売上高・役職・部門など、どこまで細かく条件を設定できるかによって、自社の商材に合った精度でターゲットを絞り込めるかどうかが変わります。
4.複数のデータを活用できるか
BtoB広告のターゲティング精度を高めるには、単一のデータだけでなく、複数のデータを活用できるかどうかも重要な確認ポイントです。
企業データベースやIPアドレスデータに加えて、名刺データやコンテキストデータなど、どの程度のデータを活用できるかはサービスによって差があります。
特定のデータだけに依存しない設計になっているかどうかは、選定時に確認しておきたい観点です。
5.分析・レポーティング機能
BtoB広告は、配信して終わりではありません。
配信後にどの企業が反応したかを可視化できなければ、営業活動につなげることが難しく、成果の検証もしづらくなります。
例えば、企業単位でインプレッション数やクリック実績を確認できるか、セグメントごとの配信結果を比較できるか、レポートを営業活動で活用しやすい形で出力できるかなどを確認するとよいでしょう。
特にBtoBでは、広告施策と営業活動を連携させることも重要なため、配信結果を営業活動や次のマーケティング施策に活用できるかという観点も、サービス選定時に確認しておきたいポイントです。
これらの基準を確認したうえで、自社のターゲットや広告の目的に合ったサービスを比較・選定するとよいでしょう。
例えば、フリークアウトが提供する「Red for BtoB」は、DSP「Red」の技術基盤に企業リストや業種カテゴリ、企業属性(売上規模・従業員数・上場区分など)を掛け合わせた配信に対応しています。
配信後には企業単位でのインプレッション数やクリックパフォーマンスを確認できるレポーティング機能を備えています。
まとめ
BtoB広告は、複数の関係者が意思決定に関わることや検討期間の長さといった、BtoC広告とは異なる購買構造を踏まえて設計することが重要です。
検索広告・ディスプレイ広告・DSP・SNS広告・リターゲティング・コンテンツ広告など、それぞれの手法には得意な目的やフェーズがあります。
単一の手法だけで完結させるのではなく、目的に応じて複数の手法を組み合わせることが重要です。
見るべきは、手法の数や配信量ではなく、「企業」を起点にしたターゲティングの精度と、特定のデータに依存しない設計です。
IPアドレスや企業データベースなどを活用し、業種・企業規模・売上高といった企業属性をもとに配信対象を絞り込むことで、狙った企業への接触機会を設計しやすくなります。
さらに、広告配信後の効果検証まで見据え、企業単位での配信結果を確認できるか、営業活動や次の施策改善に活用できるかといった点も、広告サービス・DSPを選ぶ際の重要なポイントです。
フリークアウトの「Red for BtoB」では、企業リストや業種カテゴリ、企業属性を掛け合わせた配信に対応しており、配信後には企業単位でのインプレッション数やクリックパフォーマンスを確認できるレポーティング機能を備えています。
BtoB広告の見直しを検討している方は、本記事で紹介した手法とターゲティングの考え方を参考に、自社の目的に合った設計を検討してみてください。
