CTV広告は「認知」か「獲得」か?TVerで成果を可視化する効果測定とDSP選定の鍵

CTV広告への注目度は年々高まっており、テレビ的なリーチを持ちながらWeb広告のような計測・ターゲティングができる手法として、出稿を検討する企業も増えています。
中でもTVerは国内最大級の視聴データを持つ媒体として、CTV広告市場において重要な位置を占めています。
しかし現場では、
「CTVは認知目的なのか、獲得目的なのか」
「DSP経由と純広告は何が違うのか」
「効果はどこまで可視化できるのか」
といった疑問が整理されないまま、出稿判断が行われているケースも少なくありません。
本記事では、CTV広告の基本的な仕組みからTVerの特徴、メリット・デメリット、効果測定の方法、DSP選定の基準までを分かりやすく解説します。
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- CTV広告の仕組みと、TVerを含む主要な配信の考え方
- CTV広告のメリット・デメリット、効果測定の基本
- TVer広告で成果を出すDSP選定の基準
目次
CTV広告とは?
CTV広告とは、コネクテッドテレビ(Connected TV)を通じて配信される動画広告のことです。
コネクテッドテレビとは、インターネットに接続されたテレビ端末を指し、TVerやNetflixなどの動画配信アプリを視聴する際の受け皿となっています。
従来のテレビCMと異なり、データを活用したターゲティングと効果測定が可能である点が最大の特徴です。
CTV広告とテレビCM・Web動画広告との違い
CTV広告は、テレビCMとWeb動画広告の中間的な特性を持つ広告手法です。
テレビCMは、放送エリア内の視聴者に一斉配信されるため、詳細なターゲティングや個人単位での効果測定が困難です。
一方、Web動画広告(YouTube広告など)は、スマートフォンやPCの画面で視聴されるため、テレビと同等の大画面での没入感やブランド訴求力を得にくいという特性があります。
CTV広告は、テレビの大画面で視聴されながらも、インターネット回線を経由して配信されるため、Web広告と同様に配信対象の絞り込みや視聴データの取得が可能です。
この「テレビ的なリーチ」と「Web広告的な計測・ターゲティング精度」を両立できる点が、CTV広告の大きな特徴です。
CTV広告の特徴
CTV広告、特にTVerでは、視聴完了率の高さが特徴です。TVer公式サイトによると、広告視聴完了率は90%以上となっています(※1)。
これは、YouTube等の他の動画メディアと異なり「スキップ不可」のフォーマットが主流であることに加え、テレビの大画面で腰を据えて視聴する「リーンバック(画面に集中する視聴スタイル)」が定着しているためと考えられます。
広告がコンテンツの一部として最後まで視聴されるため、ブランド認知や理解促進において高いパフォーマンスが期待できます。
また、クッキーレス環境(ブラウザによるサードパーティCookie規制が進む状況)の中で、ブラウザ依存の広告手法が制限を受けやすくなっています。
CTV広告はCookieに依存しない配信が可能なため、今後の広告戦略における選択肢のひとつとして位置づけられています。
(※1)出典:『TVer広告とは』(TVer広告)
なぜCTV広告が注目されているのか
日本では依然としてテレビCMの信頼性と影響力が高い一方、視聴行動は配信サービスへと広がっています。
その中でCTV広告は、テレビ画面という接触環境を活かしながら、デジタル広告のようにデータに基づいた配信や効果測定が可能な手法として注目されています。
前述のクッキーレス環境への対応力も、CTV広告への注目を後押ししている要因のひとつです。
CTV広告の仕組みとPMP取引
CTV広告は、従来のテレビCMのように放送局が一律で広告を流す仕組みではなく、デジタル広告と同様に広告配信プラットフォームを介して配信されます。
CTV広告の配信フロー
CTV広告は、動画コンテンツが再生されるたびに広告配信の処理が行われます。
広告主が利用するDSPと、動画配信サービスが利用するSSPが連携し、以下の流れで広告が表示されます。
- ユーザーがTVerなどのCTVサービスで動画コンテンツを再生する
- 動画広告を表示するタイミングで広告リクエストが発生する
- SSPが広告枠の情報をDSPへ送信する
- DSPがターゲティング条件や入札価格をもとに広告枠へ入札する
- 最も条件に合致した広告が選ばれ、動画コンテンツ内に配信される
配信の基本的な流れは、一般的なDSP広告と同様で、広告リクエストの発生から入札、広告表示までが0.1秒以内で完了します。そのため、視聴者は待ち時間をほとんど感じることなく動画を視聴できます。
DSP・SSP・RTBの詳しい仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://www.fout.co.jp/freakout/lab/programmatic/about-dsp/
PMP取引の重要性
CTV広告では、すべての広告枠がオープンな広告市場で取引されているわけではありません。
多くのCTVメディアでは、PMP(Private Marketplace)と呼ばれる限定的な広告取引が採用されています。
PMPとは、媒体社が認めた広告主やDSPのみが参加できる広告マーケットプレイスです。
誰でも入札できるオープンオークションと比べて、広告品質やブランドセーフティを維持しやすいという特徴があります。
特にTVerをはじめとするプレミアムな動画配信サービスでは、PMPを通じた広告配信が中心となっています。
そのため、CTV広告で成果を上げるためには、どのDSPを利用するかだけでなく、どのCTV在庫やPMPに接続できるかが重要なポイントになります。
DSPを選定する際は、ターゲティング機能やレポーティング機能だけでなく、配信可能なCTVメディアや接続できる広告在庫もあわせて確認するとよいでしょう。
TVer広告とは?CTV広告との関係と配信の特徴
TVer(ティーバー)広告とは、民放公式テレビ配信サービス「TVer」で配信される動画広告です。
TVerはインターネットに接続されたテレビ(コネクテッドテレビ)だけでなく、スマートフォンやタブレット、PCなどでも視聴できますが、CTV広告として配信される場合は、テレビ端末で視聴しているユーザーに動画広告が表示されます。
テレビ番組と同じような視聴体験の中で広告を届けられることから、ブランド認知や商品理解の促進を目的とした広告施策として活用されています。
TVerがCTV広告で注目される理由
TVer広告は、CTV広告の代表的な配信先として、多くの広告主に活用されています。
その背景には、リーチの大きさに加え、テレビならではの視聴体験と信頼性を兼ね備えた配信環境があります。
TVerが注目される主な理由は、以下の3つです。
- 国内最大級のユーザー数
TVerは国内最大級の広告付き動画配信サービスです。
2026年1月の月間ユーザー数(MUB)は4,470万ユニークブラウザに達しています。月間動画再生数は6.3億回、そのうちコネクテッドTVでの再生数は2.1億回となっています(※2)。また、利用デバイス全体の約4割がコネクテッドTV経由であり、大画面での動画視聴が広がっています。(※2)出典:『2026年1月の月間ユーザー数(MUB)は4,470万ユニークブラウザを突破 』(TVer株式会社、2026年3月17日)
- テレビコンテンツの豊富さとブランドセーフティ
TVerでは、民放各局で放送されたドラマやバラエティ、スポーツ、報道などの幅広いジャンルの番組を配信しています。
広告はこうした民放公式のプレミアムコンテンツ内で配信されるため、品質・信頼性が担保されており、ブランド毀損リスクを抑えながら広告を掲載できます。 - 精緻なターゲティングと柔軟な配信設計
インターネット経由で配信されるため、データを活用したターゲティングが可能です。
年齢・性別などのデモグラフィック情報や興味関心データなどを活用したり、視聴データや位置情報を組み合わせて、広告を届けたいユーザーへ効率的に配信できます。
また、配信期間や予算、配信頻度などを柔軟に設定できるため、マーケティングの目的やターゲットに応じた運用が可能です。
TVer広告の配信
TVerへの広告出稿には、掲載金額・掲載期間があらかじめ決まっている「予約型」と、DSPを通じてリアルタイムで買い付けを行う「運用型」の2種類があります。
DSP経由でTVerに配信する場合は、この運用型にあたる「TVer PMP」を通じた出稿が原則です。
TVer PMPは、TVerが認定した特定のDSPのみが接続できる仕組みになっており、審査を通過したDSPに限定することで、ブランドセーフティが担保された環境での配信を実現しています。
どのDSPを選ぶかによって、活用できるターゲティングデータや配信管理の柔軟性が変わってくるため、DSP選定は重要な検討事項です。
CTV広告のメリット・デメリット
TVerをはじめとするCTV広告は、テレビCMとデジタル広告の両方の特徴を持つ広告手法です。一方で、運用する際には理解しておきたい注意点もあります。
CTV広告を活用するメリットとデメリットを以下にまとめました。
| 比較項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 訴求力 | テレビの大画面・音声による高いブランド訴求 | 秒数に応じた高品質な動画クリエイティブが必要 |
| 視聴環境 | コンテンツへの没入感が高く、広告受容性が高い | テレビ画面ではクリック操作ができないため、能動的な行動を促しにくい |
| 計測・分析 | 視聴完了率や来店計測など、多面的な効果測定が可能 | クロスデバイスでのコンバージョン計測には工夫が必要 |
| 成果指標 | 認知・ブランドリフト・来店など中長期的な効果を評価しやすい | クリックや直接CVを主要KPIとする施策には向かない |
CTV広告の特性を理解した上で、自社のマーケティング目的に応じて活用することが重要です。
次章では、CTV広告の効果をどのように測定・評価するのかを解説します。
CTV広告の効果測定方法
CTV広告は、インプレッション数や視聴完了率といった基本指標に加え、来店計測やコンバージョン分析など、目的に応じたさまざまな評価方法を組み合わせることで、広告効果を多角的に把握できます。
基本KPI
CTV広告の効果を正しく把握するには、目的に応じた指標を組み合わせて確認することが重要です。
- インプレッション数・リーチ数
広告が配信された回数、および到達したユニークユーザー数を示す指標です。 - 視聴完了率(VCR:View Completion Rate)
広告が最後まで視聴された割合を示す指標です。 - ブランドリフト
広告接触の前後で、ブランドの認知度・好意度・購入意向がどの程度変化したかを測る指標です。認知目的での活用における重要な判断材料になります。 - コンバージョン関連指標
獲得目的で活用する場合は、広告接触後のWebサイト訪問数や資料請求数なども合わせて確認する必要があります。
CTV広告では、インプレッション数や視聴完了率などの配信指標に加え、ブランドリフトや来店数、コンバージョン数など、さまざまな指標から広告効果を評価できます。
ただし、どの指標を重視すべきかは、「認知目的なのか」「獲得目的なのか」という広告の目的によって異なります。
つまり、CTV広告は「認知か獲得か」のどちらか一方ではなく、目的に応じて評価指標を設計することが重要です。
認知を目的とした配信であっても、来店やコンバージョンへの貢献まで可視化することで、広告効果をより正確に評価できます。
来店計測
CTV広告を実店舗への集客につなげる場合、広告接触者のうち実際に来店した人数を計測する「来店計測」という手法があります。
位置情報データを活用し、広告接触デバイスと来店エリアへの訪問履歴を突き合わせることで、広告が来店促進にどの程度貢献したかを可視化できます。
クリックやWebサイト訪問だけでは把握できないオフラインでの行動まで評価できるため、店舗集客を目的としたCTV広告では重要な指標の一つです。
アトリビューション設計
CTV広告は視聴時点でのクリックが発生しにくいため、「広告に接触した後、生活者がどのような行動を取ったか」を追う設計が欠かせません。
例えば、テレビでCTV広告を視聴したユーザーが、後日スマートフォンで商品名を検索し、Webサイトを訪問して資料請求や購入に至る——
CTV広告では、こうした流れで成果につながるケースが多く見られます。
そのため、最後にクリックされた広告だけを評価する「ラストクリック」では、CTV広告の貢献を正しく評価できない場合があります。
こうした背景から重要になるのが、複数の広告接点を考慮して成果への貢献度を評価するアトリビューションの考え方です。
CTV広告だけでなく、検索広告やディスプレイ広告、SNS広告などを含めてユーザーの行動を分析することで、各広告施策が果たした役割をより適切に把握できます。
TVer広告で成果を出すDSP選定のポイント
TVer広告は、どのDSPを利用しても同じ配信や分析ができるわけではありません。
配信可能な広告在庫やターゲティング機能、効果測定の範囲はDSPによって異なるため、広告の目的に応じて最適なDSPを選定することが重要です。
ここでは、CTV広告・TVer広告で成果を高めるために確認しておきたいポイントを紹介します。
TVerへの接続実績・広告在庫
まず確認したいのは、TVerへ接続が可能かどうかです。
TVer PMPは、TVerが認定した特定のDSPのみが接続できる仕組みになっています。また、接続している場合でも、利用できる広告在庫や取引条件はDSPによって異なる場合があります。
フリークアウトが提供するDSP「Red」では、TVer PMPに接続し、「Redプレミアム動画配信」としてTVer広告に対応しています。
ターゲティング機能
TVer PMPに接続されたDSPの中でも、活用できるデータの種類によってターゲティングの精度は変わります。
フリークアウトが提供するDSP「Red」は、Redが保有する独自のデータを活用したターゲティングに対応しています。
また、位置情報データを活用すれば、特定エリアへの来訪者や居住者を識別したセグメントに対して配信することも可能です。
フリークアウトが提供する位置情報マーケティングプラットフォーム「ASE」は、国内最大級の位置情報データを保有しており、こうしたセグメント配信の基盤として活用できます。
効果測定・分析機能
広告配信だけでなく、成果をどこまで可視化できるかも、DSP選定では重要なポイントです。
視聴完了率やインプレッション数といった基本指標に加え、来店計測やアトリビューションまで一貫して対応できる環境が整っているかどうかで、CTV広告の評価精度は大きく変わります。
フリークアウトでは、位置情報データ「ASE」を用いた来店計測に対応しているほか、同一ユーザーへの広告接触回数を制御するフリークエンシーコントロールなど、広告配信から効果検証まで一貫した運用を支援しています。
まとめ
CTV広告は、テレビの大画面による高い訴求力と、デジタル広告ならではのターゲティング・効果測定を兼ね備えた広告手法です。
中でもTVerは、利用ユーザーが多く、ブランドセーフティの高い環境で広告を配信できることから、多くの企業で活用が進んでいます。
一方で、CTV広告は「認知向けの広告」と捉えられることが多いものの、来店計測やアトリビューション分析などを組み合わせることで、認知だけでなく獲得への貢献まで可視化することが可能です。
そのため、「認知か獲得か」という二者択一ではなく、目的に応じたKPIを設計し、適切な効果測定を行うことが重要といえます。
また、DSP選定においては、TVer PMPへの接続実績、活用できるターゲティングデータ、効果測定の対応範囲を軸に、目的に応じた比較検討をすることが、CTV広告を成果につなげる第一歩になるのではないでしょうか。
フリークアウトのDSP「Red」は、TVer PMPへの接続に加え、位置情報マーケティングプラットフォーム「ASE」と連携したターゲティングや来店計測にも対応しています。
CTV広告の活用をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。