DOOHとは?OOHとの違い・仕組み・広告費用まで完全解説

近年、屋外広告はデジタル化が進み「DOOH(Digital Out of Home)」という新しい広告手法が注目されています。駅や街頭のデジタルサイネージ、タクシー車内の動画広告など、OOH広告は従来の形から大きく進化しました。
「OOHと何が違うのか分からない」
「どのように配信され、どう効果を測るのかイメージできない」
「実際の費用感や活用シーンが知りたい」
といった声も少なくありません。
本記事では、DOOHの基本概念から市場規模、OOHとの違い、配信の仕組み、費用相場までを体系的に解説します。
さらに、実務で成果を出すための活用方法まで踏み込み、DOOHを“理解するだけでなく使える状態”になることを目的としています。
この記事でわかること
- DOOHとは何か、OOHとの違いと基本的な仕組み
- 配信手法や費用相場など、導入前に押さえるべき実務知識
- 成果を出すためのプランニング・配信・効果測定の考え方
DOOHとは?
DOOH(Digital Out-of-Home)とは、デジタル技術を活用した屋外広告の総称です。
従来の屋外広告(OOH)が、ポスターや看板などの「固定掲出」であるのに対し、DOOHは、駅構内のサイネージや街頭ビジョン、タクシー車内のモニターなど、デジタルサイネージを活用した広告媒体を指します。そのため、DOOHとデジタルサイネージ広告はほぼ同義で使われるケースが多いです。
DOOHの市場規模
LIVE BOARD社・デジタルインファクト社によると、DOOHの国内市場規模は右肩上がりの成長を続けており、2030年には1,647億円まで拡大すると予測されています。
出典:『デジタルサイネージ広告市場に関する調査2025』(LIVE BOARD、デジタルインファクト、2025年10月)
なぜ、企業の広告施策においてDOOHが選択肢として検討されるケースが増えているのでしょうか。その背景には、以下の要因があります。
- 生活動線のデジタル化と接触機会の増加
スマートフォンの普及により、消費者がテレビなどの固定媒体に触れる時間が減る一方、外出先(移動中・買い物中)での視覚的な刺激への感度は高まっています。 - デジタルサイネージによる表現の多様化と運用の効率化
動画・静止画ともに活用できるため、静止看板よりも圧倒的に幅広い広告表現が可能です。また、物理的な貼り替え作業を必要とせず、データによる入稿ができるため、スピーディーかつ容易に広告配信を開始できる点も大きなメリットです。 - プログラマティック化の進展
プログラマティックDOOH(pDOOH)の登場により、従来の「期間固定の枠買い」だけでなく、インプレッションベースでの柔軟な買い付けが可能になりました。Web広告に近い感覚で少額からテスト運用ができるようになったことが、新規参入企業の増加を後押ししています。
これらの要因が重なり合い、DOOHは単なる屋外看板から、Web広告のように運用でき、視認性も高いハイブリッドな媒体へと進化を遂げているのです。
OOHとDOOHの違い
DOOHを深く理解するために、まずはその土台となる「OOH(屋外広告)」の全体像を整理します。
OOHとは?
OOH(Out-of-Home)とは、屋外看板や交通広告など、自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称です。駅構内のポスターや車内広告、街頭看板などが代表的な例です。
これまでのOOHの特徴は、特定の場所に物理的に設置されるメディアである点です。
そのため、通勤・通学・買い物といった生活動線上で繰り返し接触されやすく、認知形成に強みを持ちます。
一方で、従来のOOHでは、掲出内容の変更には印刷や施工が伴うため、柔軟な運用やタイムリーな出し分けには制約があります。こうした制約を解消し、より柔軟な広告運用を可能にしたのがDOOHです。
OOHとDOOHの主な特徴
従来のOOHとDOOHの違いは、単なる「アナログかデジタルか」ではなく、広告をどのように運用・最適化できるかという点にあります。
OOHはポスターや看板などの静的なクリエイティブを一定期間掲出する固定型の広告で、掲出内容の変更には時間とコストがかかります。一方、DOOHはデジタルサイネージを活用することで、動画や複数の広告を切り替えて表示できます。
この違いにより、DOOHはこれまでのOOHに比べて、運用の柔軟性・ターゲティング・効果検証の面で大きく進化しています。

以下の表では、従来型のOOHとDOOHの違いを「運用・配信・コスト」という観点で整理しています。
| 比較項目 | OOH(従来の屋外広告) | DOOH(デジタル屋外広告) |
|---|---|---|
| 表示方法 | ポスターや看板などの印刷媒体を掲出 | デジタルサイネージで静止画・動画を表示 |
| クリエイティブ変更 | 貼り替え作業が必要(数日〜数週間) | ネットワーク経由でリアルタイムに差し替え可能 |
| 契約形態 | 掲出期間・枠を指定して購入する「枠買い」 | 枠買いに加え、インプレッション単位での配信も可能 |
| ターゲティング | 設置場所に依存(エリア・施設単位) | 時間帯・天候・人流データによる柔軟な配信が可能(プログラマティック配信時) |
| 配信の柔軟性 | 期間中は同一クリエイティブが基本 | 複数素材の出し分けや条件別配信が可能 |
DOOH広告の仕組みと配信手法
DOOHのポテンシャルを最大限に引き出すためには、その独自の配信エコシステムを理解することが不可欠です。
従来のOOHに近い「予約型」と、運用型の「pDOOH」。本章では、この2つの配信手法の違いを整理するとともに、DOOHならではのクリエイティブ表現について解説します。
DOOHの主な種類と設置場所
DOOHは設置場所によって、ユーザーに与える心理的影響が異なります。
| 種類 | 主な設置場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 屋外ビジョン | 渋谷スクランブル交差点などの大型ビル壁面 | 圧倒的なインパクトでブランドの世界観を構築 |
| 交通広告 | 駅構内、電車・タクシー内、空港 | 通勤・通学などの習慣的な接触による高い反復訴求 |
| 商業施設・店舗 | ショッピングモール、コンビニ、ドラッグストア | 購入直前の意思決定(リーセンシー効果)に寄与 |
DOOHの主な種類と設置場所
DOOHの配信方法は、大きく「予約型」と「運用型(pDOOH)」の2つに分かれます。
1.予約型(純広告型)
特定の媒体・期間を事前に指定し、枠を買い切る方法です。
特定の駅をジャックして視認性を高めたり、大規模な新商品キャンペーンで確実に露出量を確保したい場合に適しています。「この場所で、この期間に必ず出す」というインパクト重視の活用に向いています。
2.プログラマティックDOOH(pDOOH)
従来のOOHのような「1枠いくら」という買い切り型ではなく、Web広告のように、インプレッション(表示回数)単位でリアルタイムに入札・配信を行う手法です。
「ターゲットが多い時間帯だけ配信する」「予算に合わせて柔軟に期間を調整する」といった、効率的な運用が可能です。
さらに、天気・気温・時間帯などの外部データに連動して、放映内容を自動で切り替える「ダイナミックDOOH」のような手法も、このpDOOHという仕組みによって実現されています。
OOHとDOOHの使い分け
OOHとDOOHは二者択一ではなく、目的に応じて使い分ける、もしくは組み合わせることが重要です。
判断の軸は大きく以下の2つです。
- 長期的な認知形成・話題化を狙うか
- 柔軟な運用やターゲティングを重視するか
この観点で、それぞれの適した活用ケースを整理します。
OOH(従来型)が適しているケース
OOHは、特定エリアでの長期的な認知形成や話題化を狙う施策に適しています。
- 長期的なブランディング・認知形成
同一の場所に一定期間掲出し続けることで、継続的な接触を生み、ブランド想起を高めることができます。
特にビルボードや野立看板のように、数ヶ月〜年単位で掲出できる媒体は、エリアにおける「顔」として認知されやすく、安定した露出を確保したい場合に有効です。 - 話題化・SNS拡散を狙う施策
OOHは物理的な存在感があるため、通行者による写真撮影やSNS投稿を誘発しやすいという特徴があります。
特殊なクリエイティブや大型ビジョン、アンビエント広告などを活用することで、「現地で体験する価値」を生み出し、UGC(ユーザー投稿)による拡散につなげることができます。
DOOH(デジタル型)が適しているケース
DOOHは、表現の幅と運用の柔軟性を活かした施策に適しています。
- 表現力を活かしたリッチな訴求
デジタルサイネージを活用することで、動画や動きのある表現が可能になり、短時間で多くの情報を伝えることができます。
静止画では伝えきれないサービス内容やブランドの世界観を訴求したい場合や、ストーリー性のあるクリエイティブと相性が良い手法です。 - 柔軟な配信と運用最適化
DOOHでは、配信中のクリエイティブ差し替えや条件に応じた出し分けが可能です。
例えば、時間帯(通勤・昼・帰宅)や天候、エリアごとの特性に応じてメッセージを変えることで、より効果的なコミュニケーション設計が実現できます。 - データを活用した効率的な配信
位置情報データや人流データを活用することで、ターゲットが多いエリアや時間帯に配信を集中させることができます。
例えば、ビジネスパーソンが多いエリアや特定の時間帯に絞って配信することで、無駄な露出を抑えながら効率的にリーチを獲得することが可能です。
OOH・DOOH広告の費用相場
OOH・DOOH広告は「高額」というイメージを持たれがちですが、実際の費用は媒体・エリア・配信方法によって大きく異なります。
特に近年はプログラマティックDOOH(pDOOH)の普及により、従来のような数百万円〜数千万円単位の出稿だけでなく、より柔軟な予算設計が可能になっています。
費用を決める3つの構成要素
OOH・DOOHの費用は、主に以下の3つの掛け合わせで決定します。
- 掲出エリア・サイズ
「人通りが多い場所か」「掲出面のサイズはどのくらいか」により変動します。 - 制作費
静止画か、動画か、あるいは3D映像のような特殊なものかによって数十万〜数百万円の幅があります。 - 配信期間・頻度
1週間出し続けるのか、特定の時間帯だけ(pDOOH)絞り込むのかで総額が大きく変わります。
媒体別・費用相場の目安
一般的な市場相場をまとめました。ターゲットとする層や目的に応じて、最適な媒体選びの参考にしてください。
| 媒体タイプ | 主な例 | 価格目安(1週間) |
|---|---|---|
| 都市型大型ビジョン | 新宿・渋谷の大型屋外モニター | 約100万円~ |
| 駅サイネージ | 主要駅の柱・改札付近 | 約20万円~ |
| タクシー広告(都内) | タクシーの後部座席 | 100万円~500万円程度 |
| リテールメディア | コンビニ・ドラッグストア | 約50万円~ |
重要なのは、媒体単体の価格ではなく「どれだけターゲットに届くか」という観点で評価することです。この観点を持つことで、単価が高く見える媒体でも、結果的に効率的な投資になるケースがあります。
DOOHは、放映して終わりではありません。
- サーチリフト:放映エリアにおけるブランドキーワードの検索数上昇
- ストアビジット:位置情報データを用いた、広告接触者の店舗来店率の計測
これらを可視化することで、DOOHの費用は「単なる宣伝費」から、「売上に直結する投資」へと進化しています。
成果を最大化する実践アプローチ
DOOHは、「出稿するだけ」の広告ではありません。
データを活用し、プランニング・配信・検証のサイクルを回すことで、成果を最大化できます。
ここでは、フリークアウトが提供するアプローチ手法3ステップをご紹介します。
1.位置情報データに基づくDOOHプランニング設計
「どの面に出すか」の判断を感覚だけではなく、データで行うことがプランニングの出発点です。
フリークアウトでは、国内最大級の位置情報プラットフォーム「ASE」を活用し、エリアごとの人流や属性データをもとに、精度の高いプランニングを行います。
具体的には、以下のようなステップで行います。
- エリア・人流分析
スクリーン周辺に「どの属性の人が、いつ、どの程度」通行しているのかを可視化し、エリア特性を把握 - 最適なスクリーン選定
ターゲット層の行動動線上に位置するスクリーンを抽出し、データに基づいた最適な媒体を選定 - リーチ×フリークエンシー設計
単一の媒体にとどまらず、複数面の組み合わせにより、リーチと接触回数(フリークエンシー)を最適化
従来のOOHは「渋谷は人が多いから、とりあえず渋谷に出そう」という判断になりがちでした。
位置情報データを活用すれば、「ターゲットである30代ビジネスパーソンは六本木エリアの18〜20時に集中している」といった具体的な根拠に基づくプランニングが実現します。
2.配信設計(配信基盤 × ターゲティング)
DOOH施策において、プランニングと並んで重要なのが「どのように配信するか」という設計です。
配信基盤の広さと、ターゲティングの精度の両方によって、施策の成果は大きく左右されます。
2-1.広告在庫を活用したスケーラブルな配信基盤
接続できる広告在庫の範囲によって、施策の到達可能なリーチや配信の安定性は大きく変わります。
そのため、プランニングだけでなく、どのような配信基盤を使うかも重要な設計要素になります。
フリークアウトが提供するDSP「Red」では、国内の主要なDOOHメディアに加え、PerionやVistar Mediaといった世界最大級のpDOOH SSPと接続することで、国内最大級の広告在庫を確保しています。APAC地域をはじめとしたグローバルなDOOH在庫へのアクセスも可能です。
このような配信基盤を活用することで、以下のような設計が可能になります。
- 接点を横断してリーチを広げる
屋外ビジョン・駅・店舗・タクシーなど、生活動線上の複数接点に展開できる - 配信エリアを柔軟にコントロールする
特定エリアへの集中配信から、広域へのリーチ拡大まで対応可能 - オンライン施策と統合して設計する
DOOHとモバイル/Web広告を連携させ、一貫した接触設計ができる
2-2.媒体特性を活かした高精度ターゲティング(タクシー広告)
同じ広告でも接触する環境によって、情報の受け取られ方や理解度が大きく変わります。
そのため、媒体ごとの特性を踏まえたターゲティング設計が、施策の成果を左右します。
中でもタクシーサイネージは、特定のターゲットに対して深くリーチできる媒体として活用されています。
グループ会社IRIS社が運営する「TOKYO PRIME」は、全国36都道府県・約71,000台のタクシーに設置された日本最大級のタクシーサイネージメディアです。
フリークアウトでは、「TOKYO PRIME」の都道府県指定配信メニューを独自提供しており、エリアを絞った精度の高い配信が可能です。
タクシーという接触環境には、他の媒体にはない特徴があります。
- 広告に集中しやすい環境で接触できる
移動中の閉鎖空間のため、視認性が高く、情報が記憶に残りやすい - ビジネス層・意思決定層に届きやすい
利用者属性の特性上、ターゲットを絞った施策と相性が良い - エリア単位で精度の高い配信ができる
都道府県単位での指定により、狙った地域に無駄なく届けられる
例えば、屋外ビジョンで認知を獲得し、タクシーで理解を深めるといったように、通勤・移動・オフィスといった生活動線全体で接触を設計することで、広告効果を高めることができます。
このように、媒体特性を活かした設計を行うことで、単なるリーチ拡大にとどまらず、 「ターゲットに深く届く接触」を実現できます。
3.DOOHの広告効果計測と改善サイクル
OOHの最大の課題であった「効果が見えない」という問題に対して、複数の計測手法を組み合わせることで、広告接触後のユーザー行動までを可視化し、改善サイクルを回すことが可能です。
DOOHでは、「配信 → 計測 → 分析 → 改善」のサイクルを回すことで、施策の精度を継続的に高めていくことが可能です。
位置情報データを活用することで、「特定の場所・時間に存在した人」を基点とした効果計測が可能となり、OOH全体の可視化を実現します。
DOOHの効果は、以下のような複数の計測手法を組み合わせることで、単なるリーチ把握にとどまらず、来店や認知向上といった成果への寄与を多角的に評価することが可能です。
なお、この計測手法はDOOHに限らず、従来型のOOH(ビルボード・ポスター等)にも適用可能です。

こうして得られたデータをもとに、配信内容や投資配分を最適化していきます。
例えば、来店計測で成果が高いエリアに配信を強化したり、ブランドリフトが高い媒体へ投資をシフトするなど、データに基づいた継続的な改善が実現します。
このようなPDCAサイクルを回すことで、DOOH施策は中長期的に成果を高めていくことができます。
まとめ
DOOHは、単なる屋外広告のデジタル化ではなく、データに基づいて配信・改善できる広告チャネルです。
従来のOOHが持つ広範なリーチに加え、ターゲティングや効果検証の精度を高められる点が大きな特徴です。
一方で、成果を左右するのは媒体の選定ではなく、 「誰に・どのタイミングで・どのように接触させるか」という設計にあります。
DOOHの導入・活用を検討する際は、単発の出稿ではなく、データに基づいたプランニングと継続的な改善を前提に設計することが重要です。まずは、自社のターゲットや商圏において、どのような接触設計が可能かを整理することが、DOOH活用の第一歩となります。
「自社に最適なOOH/DOOHの活用方法を知りたい」
「費用感や配信プランを具体的に検討したい」
という方は、FreakOut DOOHの資料ダウンロードやシミュレーションも参考にしてみてください。
